大きくする 元に戻す
HOME > 発刊にあたって

発刊にあたって

写真  愛知県は本州のほぼ中央部に位置し、温和な気候と、緑豊かな奥山から里地里山、平野、沿岸部に至る変化に富んだ地形や木曽川、矢作川、豊川などの河川が形作る豊かな自然に恵まれており、この中で様々な野生生物が育まれています。
 私たちは自然から多くの恩恵を受け、里地里山では人と自然が共生する生活を営んできました。
 しかし、近年の都市化、工業化の進展や人々の生活様式の変化は自然環境に様々な影響を及ぼしており、それらを要因とする野生生物の減少がみられます。また、近年では気候変動や外来種の増加による影響も顕著となってきており、野生生物の保護は本県や国内のみならず、地球規模での課題となっています。
 本県では、希少な野生生物を保護し、生物多様性の保全を図っていくため、絶滅のおそれがある野生生物の分布状況や生息・生育状況をレッドデータブックあいちとして、
 2001年に初めてとりまとめました。
 県内の都市化の進展や生態系の変化に伴い、野生生物の生息・生育環境は常に変化していることから、定期的に生息・生育状況を把握し、絶滅のおそれの程度を評価し直す必要があります。このため、2009年の改訂を経て、この度、学識者や県民の皆様からの御意見をいただきながら、最新の調査結果を踏まえたレッドデータブックあいち2020をとりまとめました。
 2020年は、2010年に本県において開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で採択された「愛知目標」の目標年であり、この10年間の自然との共生を目指した取組を総括・評価する年です。本書の発刊が、県民の皆様をはじめ広く世界の方々が愛知県の野生生物への理解を深めるきっかけとなり、生物多様性保全に向けた気運を高める一助となれば幸いです。
 本書を発刊するにあたり、関係者の皆様に感謝の意を表するとともに、今後の生物多様性保全への取組に本書が広く活用されることを祈念いたします。

2020年3月

愛知県知事 大村秀章

■レッドデータブックの役割
■愛知県版レッドデータブックの意義(植物編)
■愛知県版レッドデータブックの意義(動物編)