SiC製の板上で焼成を待つ瓦

SiC製の板上で焼成を待つ瓦

改善後の概要

熱を無駄なく徹底的に有効活用
生産ラインに工夫を加え消費エネルギー量削減

株式会社鶴弥つるや

プレカットされた瓦

プレカットされた瓦

無駄がないね!

省エネだけでなく、生産性や品質の向上にも効果

 鶴弥は愛知県の地場産業である三州瓦のメーカー。「熱を無駄なく徹底的に利用する」という省エネを実践し、成果を上げている。
 同社の阿久比工場(阿久比町)では粘土瓦を手がけ、焼成ラインは長さ100mのトンネル状の焼成炉に台車に乗せた瓦を流しながら行う。
 同社はかつて別工場で瓦を平積みして焼成していたが、阿久比工場では稼働時から、瓦を立てて焼く自立焼成方式を取り入れたラインを構築。これにより台車1台当たりの焼成枚数を2倍以上に増やし、省エネにつなげている。
 また、同工場の第3ラインでは瓦を乗せる炭化ケイ素(SiC)製の板の厚さを従来の4分の1、約9mmまで薄くしたものを採用した。その結果、熱伝導が高まり、効率的に焼成炉の熱が瓦に伝わるようになり、省エネだけでなく品質も向上したという。
 同ラインの稼働には多額の投資が必要だったが、生産効率や品質向上とともに大幅な省エネ化を達成。年間ベースで約20%の燃料費削減を達成した。
 このほか、同工場では熱を無駄なく利用するさまざまな取組を展開している。
 例えば、コスト面において高い割合を占めるブタンガスの価格が平成24年に前年比で約20%上昇したことなどから、同年には焼成炉の排熱の利用にも着目した。具体的には、60カ所あるバーナー部に空気を送る配管や装置を改造。製品冷却時に発生する排熱を効率的に利用して温めたホットエアーと呼ばれる燃焼用の空気をバーナー部に送る仕組みを構築。これにより、焼成に必要な温度を得ながらも燃料を削減できるようになった。この取組への投資は約1500万円だったが、年間約1000万円の収益改善効果が見込め、1年半での回収が可能という。

粘土瓦の生産ラインの一部

粘土瓦の生産ラインの一部

バーナー配管部

バーナー配管部

取締役 阿久比工場長 三井真司さん

取締役 阿久比工場長 三井真司さん

 同工場ではこのほか、プレカット工場を併設。従来は屋根の形状に合わせて建物の施工現場で瓦をカットしていたが、事前にカットして納入するようにした。現場での廃棄物発生量の約70%を削減し、廃棄物運送にかかるエネルギー削減にもつなげた。
 同社では愛知県の地場産業を支えるとともに、省エネ、CO2排出量削減でも地域に貢献していきたいとしている。

PROFILE

株式会社鶴弥 阿久比工場
〒470-2215 愛知県知多郡阿久比町矢高西の台1-1
http://www.try110.com
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