GoLS Groupe of Leading Subnational Governments toward Aichi Biodiversity Targets

世界目標達成に向けた国際先進広域自治体連合

 愛知県は、愛知目標の達成に貢献するため、メキシコ州政府連合、カタルーニャ州(スペイン)、オンタリオ州(カナダ)、ケベック州(カナダ)及びサンパウロ州(ブラジル)とともに、2016年8月に「愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」を立ち上げました。現在は、名称を「世界目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」と改め、新たな世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の達成に引き続き貢献していくこととしています。
 連合は、それぞれの取組について成果や課題を共有することで自らの取組を強化するとともに、サブナショナル政府をわれわれの議論に招待し学び合うことによって、世界のサブナショナル政府の生物多様性保全の取組の活性化を促します。

Ontario Quebec Aichi Sao Paulo Catalunya Gangwon Jiangsu

支援組織

Regions4 (持続可能な発展のための地方政府ネットワーク)
ICLEI - 持続可能性を目指す自治体協議会
生物多様性条約事務局

世界目標達成に向けた国際先進広域自治体連合 声明

 生物多様性の保全と持続可能な利用のためには、地域特性を踏まえた対策の「実行」が必要であり、また、分野横断的な「社会変革」が急務であることから、今後、管轄地域内における中核としてサブナショナル政府の役割が一層重要となる。

 このため我々は、COP15第2部の機会をとらえて、これまでのGoLSの活動や「更新版 自治体のための行動計画」を踏まえ、新世界目標の達成に向けて、次のように引き続き責務を全うする強い決意を表明する。

 1 各メンバーが管轄する地域においては、新世界目標や各締約国の国家戦略に貢献する実践的な施策を、地域特性や能力を踏まえて実施することを促進する。また、現場の様々な主体の参加や水平連携を促すとともに、国・サブナショナル政府・基礎自治体等あらゆる政府レベルの取組や垂直連携を促すことを通じて、地域社会全体の活動を活性化する。

 2 国際社会においては、国際的なプラットフォーム(RegionsWithNature、CitiesWithNature等)を通じて、現場での有効な経験や実践的な解決策を広く共有する。            

 3 先進的なサブナショナル政府のグループとして、メンバー相互の交流や連携を一層発展させながら、新世界目標や「更新版 自治体のための行動計画」を踏まえ、「社会変革」を促すために必要な行動や提言を率先して行う。

2022年12月

署名者:

日本 愛知県

メキシコ州政府連合

スペイン カタルーニャ州

カナダ オンタリオ州

カナダ ケベック州

ブラジル サンパウロ州

メキシコ カンペチェ州

韓国 江原道

中国 江蘇省

(支援団体)
Regions4

イクレイ

別紙 各州の生物多様性保全の主な取組

 愛知県は、2021年2月に「あいち生物多様性戦略2030」を新たに策定し、「人と自然が共生するあいち」の実現に向け、より多くの主体が連携して、目標の実現に向けた取組を加速させるため「あいち方式2030」を中核的な取り組み方針とし、この方式に基づく取組を進めている。

 ANAAE(メキシコ州政府連合)は、各州が、愛知目標に沿った生態系サービスの分配、責任ある資源の利用、生態系の保全を進め、生物多様性の劣化を防ぐための政策を展開できるよう、その基盤となる、共同、情報交換、連携体制づくりを戦略的に進めている。

 カタルーニャ州は、愛知目標11(保護地域の拡大)を上回る陸域の30%以上を保護区としたほか、目標1(生物多様性の主流化)、目標2(土地利用計画への統合)、目標15(生態系の回復)、目標19(知識の普及)といった点で大きく前進した。われわれの取組は過去数十年、国家の政策にも影響を与え、現在策定中の国家戦略にも取り込まれている。

 オンタリオ生物多様性協議会は、34の団体からなる分野横断的な組織で、オンタリオ州の戦略実施を導き、その結果を報告する役割を担っている。オンタリオ州戦略は愛知目標に関係する15の目標を抱え、その進捗を評価するため5年ごとに報告書を作成している。

 ケベック州は、1990年代および2000年代に2つの生物多様性戦略を策定し、2013年に生物多様性ガイドラインを策定した。このガイドラインは、愛知目標に対する最初の対応であり、政府や関係機関が行う施策に生物多様性を組み込むことを保証するものである。また、ケベック州は、愛知目標11(保護地域の拡大)の達成を目指し、陸域及び内陸水域の17%、また沿岸域及び海域の10%を2020までに保全するため、2つの主な政府の戦略(プラン・ノール及び海域戦略)を通じて意欲的な公約を打ち出してきた。

 サンパウロ州は、1986年に環境省が設置されて以来、生物多様性の保全に注力している。愛知目標に向けたサンパウロ州生物多様性戦略を推進するため、2011年にサンパウロ生物多様性委員会が設置された。現在、持続可能な開発のためのゾーニングや違法行為を防ぐための査察の強化、保全活動の拡大などに取り組んでいる。

 カンペチェは、2015年以来、正式に出版された国家生物多様性戦略の実施を進めており、国家保護と保護プログラムの40年を挙行している。それはメキシコで最も古いプログラムであり、カンペチェでは国内で最も多くのカメが繁殖しているという記録がある。カンペチェは、COP13において、2030年に達成するための熱帯雨林の有効な管理、持続可能な観光、水、生態系を含むユカタン半島の持続可能性に関する地域協定に調印した。また、カンペチェは、森林持続可能な管理のために森林委員会によって認定された最初の土地共同体を持っている。

 江原道では、2014年、生物多様性条約第12回締約国会議を開催しており、2020年までの「江原道生物多様性戦略」を樹立し、道内の18市郡と連携して戦略に示された67の事業を履行している。2016年には、湿地保護地域を指定するなど、保護地域の拡大(愛知目標11)目標履行に大きな進展を見せている。また、2018年、江原道で開催される平昌冬季五輪についても低炭素グリーン五輪というスローガンを掲げて推進している。江原道は特に、大韓民国内で最多の絶滅危惧種を保有した地域として、絶滅危惧種の保護(目標12)及び生態系復元(目標15)に向けて様々な事業を進めている。

 江蘇省は常に生物多様性の保全に大きな注意を払い、この作業を早期に開始した。 2014年6月、江蘇省政府の承認を得て、江蘇省環境保護庁は、6つの戦略目標、20の優先行動、13の主要なプログラムを明確に定義した、江蘇生物多様性保全戦略および行動計画2013 2030を発行した。 江蘇省は、愛知生物多様性目標に沿って、2022年までに生物多様性の悪化と喪失を基本的に制御できるように努力している。計画によるところでは、生物多様性の保全は2030年までに効果的に実施される。